【令和6年1月9日】
令和6年が始まりました。今年の干支は、甲辰(きのえ・たつ)。”甲”はものごとの始まりという性格があり、”辰"は成長の年。これまで努力してきたことがぐんと飛躍して、さらなる成長が期待できる年と言われています。
しかしながら、元日には能登半島地震、2日には日航機と海保機の衝突事故と、大きな災害や事故のニュースで始まった一年となりました。亡くなった皆様に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、被災地の一日も早い復旧をお祈りしたいと思います。
さて、3学期が始まりました。皆さん聞いたことがあると思いますが、「1月はいく、2月は逃げる、3月は去る」と言われ、3学期はあっという間に終わります。3学期は今年度の締めくくりの学期ですが、同時に、4月からの新たなステージに向けた勝負と準備の学期でもあります。そう考えると、3学期は次の年度のための「0学期」という言い方もできます。来年度から1年生はいよいよ先輩と呼ばれるようになり、2年生は椿中の顔である最上級生となり、そして3年生は自分が選んだそれぞれの場所で新しい仲間との生活が始まります。3学期は短いながらも、とても重要な学期なんですね。
今学期がどれくらい短いか、具体的な数字を言ってみますね。
・今学期1,2年生が登校する日数 52日
・今学期3年生が登校する日数 47日
(ここからは土日祝日も含みますよ)
・私立高校推薦入試まで あと7日
・私立高校一般入試まで あと28日
・県立高校推薦入試まで あと30日
・学年末テストまで あと42日
・県立高校一般入試まで あと58日
・卒業式まで あと67日
・終業式まで あと77日
その短さが実感として湧いてきましたか?
時間というものは、生きている限り皆に平等に与えられ、平等に過ぎ去っていきます。
この限られた時間をあなたはどう過ごすのか・・・。あの元日の地震で無念にもお亡くなりになってしまった方々のニュースを聞くたびに、命ある我々は一日一日を大事に生きなければならないと改めて感じさせられます。
最後に・・・皆さんは今年の初詣で神様に何を願いましたか。1年生は、後輩から憧れられる先輩となるべく、大きく成長してほしい!2年生は、この椿中を背負って立つ覚悟と誇りを持ってほしい!そして3年生は、最後まで誇りある椿中生としてのあるべき姿を後輩に示し続け、3月には晴れやかにこの学び舎を巣立っていってほしい!これが、校長としての私の願いです。
令和6年も、ここにいる全ての皆さんが幸せになるために努力する一年になることを、そして、辰年にちなんで、椿中が登り龍のように勢いのある、活気あふれる一年になることを願って、式辞とします。
【令和5年12月26日(火)】
昨日の終業式で、生徒に話したことを一部抜粋してご紹介します。
長かった2学期も、いよいよ終りを迎えます。私からは、大きく3つのことをお話します。
<中略>
お話の2つめは、今学期の振り返りです。この2学期、沢山の行事・活動がありました。ほぼ毎日アップしていたホームページのブログを見返してみると、躍動するみんなの生き生きとした姿や笑顔が残っています。特に、みんなが青春を燃やし尽くした体育大会・・・素晴らしかった。最高学年として力を出し切り、やりきった表情で楽しく踊っていた最後の3年生のフォークダンス、今でも忘れられません。数年ぶりに有志発表を取り入れた文化祭。勇気ある8組の有志のパフォーマンス、そしてそれを大いに盛り上げて応援した皆さんのフォロワーシップ、椿中の一体感を感じた実に楽しい行事になりました。
そして、何気ない普段の日常。校内外の様々なところで、みんなの元気なあいさつが聞こえてきます。職員室への入室の際、誰もが礼儀正しく立派な態度で入ってきます。掃除のとき、寒い中膝をついて床を磨いています。そんなみんなの姿を見ながら、平凡な毎日の積み重ねの尊さを思います。そして、こういう普段の日常を大切にできているみんなだからこそ、大きな行事や活動で光ることができるんだろうなと感じた2学期でした。
最後に3つめの話です。
今日は何の日ですか?そしてもうすぐやってくるのは?そのときに交わされるあいさつは?メリークリスマス→ハッピークリスマス、あけましておめでとう→ハッピーニューイヤーですね。よくハッピーという言葉がこの時期出てきますね。「ハッピー」つまり「幸せ」という意味ですね。幸せになりたいとか幸せでいたいと漠然と誰しも思うと思いますが・・・よく考えてみると「幸せ」って何なんでしょうね。「幸せ」と何が関連するかについては、実は多くの心理学者によって色々な研究が行われていて、その結果様々なことがわかってきたそうです。これから一部紹介しますので、自分は果たして「幸せ」かどうか、自分にあてはまることがいくつあるか、数えながら聞いてみてください。
・何かを成し遂げた人は幸せである。
・何かを成し遂げるために努力している人は幸せである。
・目的が明確な人は幸せである。
・成長する人は幸せである。
・自己肯定感の高い人は幸せである。
・多様なつながりのある人は幸せである。
・親切な人は幸せである。
・他人のために貢献できる人は幸せである。
・感謝する人は幸せである。
・自己受容できている人は幸せである。
・楽観的な人は幸せである。
・満喫する人は幸せである。
・視野の広い人は幸せである。
・ポジティブな人は幸せである。
・リスクがあってもチャレンジするする人は幸せである。
・人と自分を比べすぎない人は幸せである。
・自分の軸を持っている人は幸せである。
・自主的で主体的な人は幸せである。
・自己決定する人は幸せである。
・へこむことがあっても立ち直る力の強い人は幸せである。
何個くらい自分にあてはまりましたか?結構あてはまった人は、「自分幸せなんかなあ」と思ってもいいかもしれません。今紹介した「幸せの条件」に共通していることは、幸せは地位やお金などとは全く関係ないということ、また、誰かに与えてもらえるものではなく、自分で感じ自分でそうしていくものということです。
私は、年度当初、先生方に「学校はなんのためにあるのか」「学校は、子どもたちの幸せのためにある」と話しました。また「そのために、まず先生方が幸せであってください」とも話しました。はてさて、・・・「今年一年みんな幸せだったかなー」と思いを巡らせながら、令和5年の終わりを迎えているところです。
ちなみに、私は今年この椿中に来れて、みなさんと出会えて、心から幸せだなと思っています。そりゃ生きていればいろいろあります。楽しいこともつらいこともいやなことも・・・。でもそれらはすべて自分を成長させる、自分のこの先の「幸せ」のための大切な種なんじゃないかなと私は考えます。来年もここにいるみんながハッピーイヤーになることを願って、式辞とします。
【令和5年9月1日(金)】
夏が終わったとは思えない暑い毎日が続いていますが、42日間の長い夏休みはとうとう終わってしまいました。長いお休みの後というのは、子どもであれ大人であれ多少なりともブルーな気持ちもあろうかと思いますが、なんとか心と体のスイッチをビシッとオンにして、さあここから頑張っていきましょう。
夏休み中は、県総体、四国総体、吹奏楽コンクールなど、様々な大会で躍動する椿中生の姿を見ることができました。クラブチームの一員として全国大会に出場した人、松山で開催された全国大会の役員として頑張った人もいました。3年生は、次の進路に向け、色々な高校の見学会に参加した人もいたでしょう。そのほかにも、様々な経験を通して、少し成長した君たちになっていることと思います。
さて、1学期の終業式で、私からみんなへ唯一の宿題を出しました。「3人のレンガ職人」という話をネットかなにかで調べて読んでみて!というものでした。覚えてますか?恐る恐る聞いてみますが・・・読んでみた人・・・うん、まあそんなとこでしょう(笑)この話から読み取れるのは、同じ仕事を与えられても、それが嫌々やらされるつらい仕事になるか、やりがいや喜びを感じて取り組める楽しい仕事になるかは、その人の持つ考え方や目的意識によって全く違ったものになるということです。私は、これまでの人生の中で出会ったきた様々な人のことを思い返したとき、本当どちらの人もいたなあと実感します。そして思うのは、後者、つまり前向きに物事に向き合える人のほうが明らかに幸せそうで魅力的な人だったということです。私自身、そういう考え方、目的意識を持って自分のすべきことに臨みたいと常々思っています。(まだまだですけど・・・)そのほうが、自分が幸せでいられると思うからです。生きていれば、いやなことも、腹がたつことも、そりゃ色々ありますが、自分に起きた事実は同じでも、物事の解釈の仕方や考え方ひとつで、それは案外自分にとってプラスな出来事に変えられることも結構あるもんです。私は、明るい椿中生のみんなは、こういうポジティブシンキングができる人が多いんじゃないかと感じています。
さあ、というわけで、2学期が始まります。体育大会、新人大会、職場体験、文化祭など、楽しみな行事が目白押しです。もちろん学習成果を上げることも大切です。特に3年生諸君、この2学期の成果はあなたの進路選択に大きく影響することは確実です。今学期頑張らなかったら、もう挽回のチャンスはありません。それぞれの活動に臨むにあたり、しっかりとした目的意識を持ち、ポジティブシンキングで楽しみながら取り組む姿勢も忘れず、充実した2学期にしていきましょう。生徒会スローガン「椿邁進!」のもと、この2学期も椿中生みんながさらに高みに向けてつき進んでいくことを期待しています。
【令和5年7月21日(金)】
昨日の終業式で、生徒に話したことをご紹介します。
今日で1学期が終わります。まずは、椿中生499名、先生方、様々な立場で本校をサポートいただいたすべての人たちが、大過なくこの日を迎えられたことを喜びたいと思います。
この1学期、市総体での各部の活躍や先日の合唱コンクールでの素晴らしい歌声など、椿中の勢いというものを沢山見せてもらいました。そういう大舞台での活躍もそうですが、それ以上に私が胸を打たれたのは、すれ違うたびににこやかな笑顔と挨拶をくれる人、日々の清掃に黙々と取り組む人、目立たないところで周囲への心遣いを行動で表している人、そんな沢山の人たちのなんでもない日常の姿でした。そのような君たちの姿から私も大きな活力をもらいました。ありがとう。
一方で、より細かく一人一人を見ていったとき、それぞれに足りなかったこと、未熟だったこと、同じような失敗を繰り返してしまったこと、そんな部分もあったと思います。でもそれは当たり前のこと。この世の中に完璧な人はいません。誰しも一つや二つダメな部分を持っているはずです。大切なことは、そのような自分のダメな部分から目をそらしたり、人のせいにしたり、投げ出したりせず、素直にそのことを受け止め、よりよい自分になることを信じて一歩一歩前進しようとすることです。そんなみんなの小さな一歩一歩の積み重ねが、よりよい椿中を作っていきます。私はもうすでにこの椿中を誇りに思っていますが、みんなにとっても「もっと誇れる椿中」を目指して、これからも頑張っていきましょう。
さあ、明日からはお待ちかねの夏休みです。楽しくも有意義な夏休みにするためには、さほどやりたくないなあってことにも努力をしなければならないこともあります。例えば、勉強とか?部活動での地味ーな基礎練とか?そこで、私からひとつのお話を紹介します。それは、「3人のレンガ職人」というお話です。ネットで「3人のレンガ職人」と検索するとすぐ出てきます。誰にでもわかりやすいお話ですが、この話から得られる「生き方のヒント」があるはずです。(キーワードは、『目的意識』です)私からの夏休みの唯一の宿題とします。夏休み明け、この話を読んで感じたことを聞かせてもらえるとうれしいです。
では、2学期の始業式で、少し日焼けした、そしてちょっとたくましくなった君たちに会えることを期待しています。
【令和5年7月15日(土)】
学校には、そこで生活する子どもたちの心の状態が如実に表れる場所というものがあります。それが、トイレのスリッパであり、靴箱のくつであり、雑巾がけの雑巾であり、傘立てのかさです(私見ですが)。私はときどきこれらを見ながら校舎を歩くことがありますが、本校はおおむねいつみてもこれらが整然と並べられています。おそらく多くの先生方も同じような感性を持って子どもたちに指導してくれているおかげであり、子どもたちの心が落ち着いている証拠だなと思っています。
先日、ある先生が、校長室にこんなことを伝えに来てくれました。
「聞いてください校長先生。9組のK君とMさんのことです。毎朝保健室に健康観察板を持ってきているこの2人。ある朝その様子を見ていると、健康観察板を出した後、その前にある職員トイレに別れて入っていくんです。何をするのかなと思ったら、それぞれ男女トイレのスリッパをきれいに並べてくれてたんです。その様子に感心しながらそのまま彼らのあとをついていくと、教室へ帰る途中のトイレにも入ってやはりスリッパを並べてくれていました。どうもこの二人、これを毎日の日課にしているようなんです。素晴らしいと思いませんか!」
本当に素晴らしい行いです。この話を聞いて、心がとても温かくなりました。誰も知らないところで、こういう尊い行いをしてくれている椿中生がいること、みんなも知っておいてください。さらに付け加えると、このことを教えてくれた先生も、紛れもなく心が温かく優しい人だと思いました。
皆さんは、宮澤章二さんの『行為の意味』という詩を知っていますか。私の大好きな詩です。まさに、この二人の生徒の行為を表している詩だと思います。ネットで検索するとその詩が見れますので、ぜひ見てみてください。
【令和5年6月21日】
市総体が終わりました。子どもたちは、サッカー部の優勝をはじめとして、旗やカップ、賞状など多くのプレゼントを学校に持って帰ってくれました。ありがとう、そしてお疲れ様!特に3年生は、部活動をこれで引退という人も多いと思いますが、これまで3年間頑張ってきた成果がたくさん自分の心や体に残っていることを願います。部活動による子どもたちの成長を共に支えていただいた、外部指導者の皆様、保護者の皆様にはあらためて感謝申し上げます。県大会に進む皆さんは、もうひと暴れ目指して頑張りましょう!
さて、この大会中、私が個人的に最も心に残ったシーンをご紹介します。(年のせいか、私はこのシーンで涙が止まりませんでした・・・)
軟式野球部の3回戦。本校の軟式野球部は3年生1名、2年生2名しかいないため、内宮中と松山西中等との連合チームで出場しました。内宮中と松山西中等にはおそらく経験者も多く、中学校から野球を始めた本校唯一の3年生Iくんには、初戦からずっと出番はありませんでした。途中までいい試合をしていた3回戦でしたが、終盤大量得点を相手に許し、最終回を迎えた時点で3対8。最後の攻撃もすでに2アウト。野球は2アウトからといいますが、さすがに5点差をひっくり返すのは9割がた不可能。その場面で、Iくんが代打でバッターボックスに立ちました。そのとき、ベンチから本校M先生のひと際大きな声が聞こえてきました。それまで他校の生徒にもずっと大きな声で檄をとばしていたM先生ですが、このときIくんを鼓舞する声は今までで一番大きな声だったように思いました。「ボールにくらいつけよー」「しっかりボール見て前に飛ばしてイケー」と、最後までIくんのヒットを生み出すためのアドバイスの声でした。あきらめモードになってもおかしくないこの場面で、最後まで生徒のヒットを信じて大きな声をかけるM先生、それを一生懸命聞き必死にボールにくらいつくIくん、それを見ながら私は自分でも不思議なくらい自然に涙があふれていました。私の妄想かもしれませんが、M先生がIくんにかけていたその言葉は、表面的にはヒットを打つためのアドバイスですが、「これまでお前は苦しい練習をようやりきった」「これからのお前の人生も大丈夫や」「これまでありがとう、おつかれさん」というIくんへのエールのように感じました。「師弟同行」という言葉がありますが、その真の姿を見た気がしました。
残念ながら、Iくんはファーストゴロに倒れゲームセットを迎えましたが、試合終了後、観客席に向かって一礼をする連合チームの中で、一番深々と頭を下げて礼をしていたのは、最後尾に並んだ椿中生3人でした。(6月16日のブログの写真を見てみてください)
【令和5年6月12日】
この4月から本校校長を務めさせていただいております神野 泰二です。おくればせながら、ちょっとつぶやきたくなったことをこのコーナーで書き記していきたいと思います。(不定期ですが)よろしければ、斜め読みでもしていただければ幸いです。
早速ですが、先日市総体壮行会で、椿中選手団に話したことをご紹介します。
いよいよ決戦のときが来ました。吹奏楽部の力強い演奏が花を添える中、堂々たる入場行進、思いのこもった決意発表、選手宣誓、大変見事でした。この覇気に満ち溢れた皆さんの姿を見て、椿中校長として大変誇りに思います。
部活動は何のためにあるのか・・・。私は、自分で部活指導をしていた頃から、このように考えています。
「部活動の目的は、人間づくりである」と。
これまで、自分が好きで入った部活動とはいえ、楽しいことばかりではなかったと思います。思い通りに技能が伸びず悩んだこと、顧問の先生やコーチから厳しく指導されてへこんだこと、仲間であるはずのチームメートと心がうまく通い合わず悲しかったこと、いろいろな試練があったと思います。(この数年間は、コロナによる試練もありました。)
でも、そんな試練も、今のたくましい君たちを作り上げてくれた大切な要素であったはずです。苦しさの先に何かを達成する喜びを知った自分、仲間と苦労や感動を分かち合える自分、素直に自身の未熟さを反省できる自分、人に感謝できるようになった自分、今たくさんの成長した自分をみつけられるのではないでしょうか。
校内外のいたるところで素敵な挨拶が飛び交う、節度と活気のある今の椿中を作ってきたのは、そんな君たちの頑張りかもしれません。椿中代表として、頑張ってきた自分たちに自信と誇りを持ち、堂々と戦ってきてください。
しかし、勝負に臨む以上、皆さんにはもう一つ重要な目標があるはずです。それは・・・「勝つ」ことですよね。相手に勝つ、自分の前の記録に勝つ、自分の弱さに打ち勝つ、など勝つにもいろいろな意味がありますが、1つでも多く「勝つ」ことにもこだわって頑張ってきてください。
様々な会場で、皆さんの熱い戦いが観られること、楽しみにしています。健闘を祈ります。