校長のつぶやき

2学期が始まりました

2023年9月1日 17時17分

【令和5年9月1日(金)】

 夏が終わったとは思えない暑い毎日が続いていますが、42日間の長い夏休みはとうとう終わってしまいました。長いお休みの後というのは、子どもであれ大人であれ多少なりともブルーな気持ちもあろうかと思いますが、なんとか心と体のスイッチをビシッとオンにして、さあここから頑張っていきましょう。

 夏休み中は、県総体、四国総体、吹奏楽コンクールなど、様々な大会で躍動する椿中生の姿を見ることができました。クラブチームの一員として全国大会に出場した人、松山で開催された全国大会の役員として頑張った人もいました。3年生は、次の進路に向け、色々な高校の見学会に参加した人もいたでしょう。そのほかにも、様々な経験を通して、少し成長した君たちになっていることと思います。

 さて、1学期の終業式で、私からみんなへ唯一の宿題を出しました。「3人のレンガ職人」という話をネットかなにかで調べて読んでみて!というものでした。覚えてますか?恐る恐る聞いてみますが・・・読んでみた人・・・うん、まあそんなとこでしょう(笑)この話から読み取れるのは、同じ仕事を与えられても、それが嫌々やらされるつらい仕事になるか、やりがいや喜びを感じて取り組める楽しい仕事になるかは、その人の持つ考え方や目的意識によって全く違ったものになるということです。私は、これまでの人生の中で出会ったきた様々な人のことを思い返したとき、本当どちらの人もいたなあと実感します。そして思うのは、後者、つまり前向きに物事に向き合える人のほうが明らかに幸せそうで魅力的な人だったということです。私自身、そういう考え方、目的意識を持って自分のすべきことに臨みたいと常々思っています。(まだまだですけど・・・)そのほうが、自分が幸せでいられると思うからです。生きていれば、いやなことも、腹がたつことも、そりゃ色々ありますが、自分に起きた事実は同じでも、物事の解釈の仕方や考え方ひとつで、それは案外自分にとってプラスな出来事に変えられることも結構あるもんです。私は、明るい椿中生のみんなは、こういうポジティブシンキングができる人が多いんじゃないかと感じています。

 さあ、というわけで、2学期が始まります。体育大会、新人大会、職場体験、文化祭など、楽しみな行事が目白押しです。もちろん学習成果を上げることも大切です。特に3年生諸君、この2学期の成果はあなたの進路選択に大きく影響することは確実です。今学期頑張らなかったら、もう挽回のチャンスはありません。それぞれの活動に臨むにあたり、しっかりとした目的意識を持ち、ポジティブシンキングで楽しみながら取り組む姿勢も忘れず、充実した2学期にしていきましょう。生徒会スローガン「椿邁進!」のもと、この2学期も椿中生みんながさらに高みに向けてつき進んでいくことを期待しています。

1学期が終わりました

2023年7月21日 14時19分

【令和5年7月21日(金)】

 昨日の終業式で、生徒に話したことをご紹介します。

 今日で1学期が終わります。まずは、椿中生499名、先生方、様々な立場で本校をサポートいただいたすべての人たちが、大過なくこの日を迎えられたことを喜びたいと思います。

 この1学期、市総体での各部の活躍や先日の合唱コンクールでの素晴らしい歌声など、椿中の勢いというものを沢山見せてもらいました。そういう大舞台での活躍もそうですが、それ以上に私が胸を打たれたのは、すれ違うたびににこやかな笑顔と挨拶をくれる人、日々の清掃に黙々と取り組む人、目立たないところで周囲への心遣いを行動で表している人、そんな沢山の人たちのなんでもない日常の姿でした。そのような君たちの姿から私も大きな活力をもらいました。ありがとう。

 一方で、より細かく一人一人を見ていったとき、それぞれに足りなかったこと、未熟だったこと、同じような失敗を繰り返してしまったこと、そんな部分もあったと思います。でもそれは当たり前のこと。この世の中に完璧な人はいません。誰しも一つや二つダメな部分を持っているはずです。大切なことは、そのような自分のダメな部分から目をそらしたり、人のせいにしたり、投げ出したりせず、素直にそのことを受け止め、よりよい自分になることを信じて一歩一歩前進しようとすることです。そんなみんなの小さな一歩一歩の積み重ねが、よりよい椿中を作っていきます。私はもうすでにこの椿中を誇りに思っていますが、みんなにとっても「もっと誇れる椿中」を目指して、これからも頑張っていきましょう。

 さあ、明日からはお待ちかねの夏休みです。楽しくも有意義な夏休みにするためには、さほどやりたくないなあってことにも努力をしなければならないこともあります。例えば、勉強とか?部活動での地味ーな基礎練とか?そこで、私からひとつのお話を紹介します。それは、「3人のレンガ職人」というお話です。ネットで「3人のレンガ職人」と検索するとすぐ出てきます。誰にでもわかりやすいお話ですが、この話から得られる「生き方のヒント」があるはずです。(キーワードは、『目的意識』です)私からの夏休みの唯一の宿題とします。夏休み明け、この話を読んで感じたことを聞かせてもらえるとうれしいです。
 では、2学期の始業式で、少し日焼けした、そしてちょっとたくましくなった君たちに会えることを期待しています。

トイレのスリッパが語るもの

2023年7月15日 17時30分

【令和5年7月15日(土)】

 学校には、そこで生活する子どもたちの心の状態が如実に表れる場所というものがあります。それが、トイレのスリッパであり、靴箱のくつであり、雑巾がけの雑巾であり、傘立てのかさです(私見ですが)。私はときどきこれらを見ながら校舎を歩くことがありますが、本校はおおむねいつみてもこれらが整然と並べられています。おそらく多くの先生方も同じような感性を持って子どもたちに指導してくれているおかげであり、子どもたちの心が落ち着いている証拠だなと思っています。

 先日、ある先生が、校長室にこんなことを伝えに来てくれました。

「聞いてください校長先生。9組のK君とMさんのことです。毎朝保健室に健康観察板を持ってきているこの2人。ある朝その様子を見ていると、健康観察板を出した後、その前にある職員トイレに別れて入っていくんです。何をするのかなと思ったら、それぞれ男女トイレのスリッパをきれいに並べてくれてたんです。その様子に感心しながらそのまま彼らのあとをついていくと、教室へ帰る途中のトイレにも入ってやはりスリッパを並べてくれていました。どうもこの二人、これを毎日の日課にしているようなんです。素晴らしいと思いませんか!」

 本当に素晴らしい行いです。この話を聞いて、心がとても温かくなりました。誰も知らないところで、こういう尊い行いをしてくれている椿中生がいること、みんなも知っておいてください。さらに付け加えると、このことを教えてくれた先生も、紛れもなく心が温かく優しい人だと思いました。

 皆さんは、宮澤章二さんの『行為の意味』という詩を知っていますか。私の大好きな詩です。まさに、この二人の生徒の行為を表している詩だと思います。ネットで検索するとその詩が見れますので、ぜひ見てみてください。

市総体を終えて

2023年6月21日 08時00分

【令和5年6月21日】

 市総体が終わりました。子どもたちは、サッカー部の優勝をはじめとして、旗やカップ、賞状など多くのプレゼントを学校に持って帰ってくれました。ありがとう、そしてお疲れ様!特に3年生は、部活動をこれで引退という人も多いと思いますが、これまで3年間頑張ってきた成果がたくさん自分の心や体に残っていることを願います。部活動による子どもたちの成長を共に支えていただいた、外部指導者の皆様、保護者の皆様にはあらためて感謝申し上げます。県大会に進む皆さんは、もうひと暴れ目指して頑張りましょう!

 さて、この大会中、私が個人的に最も心に残ったシーンをご紹介します。(年のせいか、私はこのシーンで涙が止まりませんでした・・・)

 軟式野球部の3回戦。本校の軟式野球部は3年生1名、2年生2名しかいないため、内宮中と松山西中等との連合チームで出場しました。内宮中と松山西中等にはおそらく経験者も多く、中学校から野球を始めた本校唯一の3年生Iくんには、初戦からずっと出番はありませんでした。途中までいい試合をしていた3回戦でしたが、終盤大量得点を相手に許し、最終回を迎えた時点で3対8。最後の攻撃もすでに2アウト。野球は2アウトからといいますが、さすがに5点差をひっくり返すのは9割がた不可能。その場面で、Iくんが代打でバッターボックスに立ちました。そのとき、ベンチから本校M先生のひと際大きな声が聞こえてきました。それまで他校の生徒にもずっと大きな声で檄をとばしていたM先生ですが、このときIくんを鼓舞する声は今までで一番大きな声だったように思いました。「ボールにくらいつけよー」「しっかりボール見て前に飛ばしてイケー」と、最後までIくんのヒットを生み出すためのアドバイスの声でした。あきらめモードになってもおかしくないこの場面で、最後まで生徒のヒットを信じて大きな声をかけるM先生、それを一生懸命聞き必死にボールにくらいつくIくん、それを見ながら私は自分でも不思議なくらい自然に涙があふれていました。私の妄想かもしれませんが、M先生がIくんにかけていたその言葉は、表面的にはヒットを打つためのアドバイスですが、「これまでお前は苦しい練習をようやりきった」「これからのお前の人生も大丈夫や」「これまでありがとう、おつかれさん」というIくんへのエールのように感じました。「師弟同行」という言葉がありますが、その真の姿を見た気がしました。

 残念ながら、Iくんはファーストゴロに倒れゲームセットを迎えましたが、試合終了後、観客席に向かって一礼をする連合チームの中で、一番深々と頭を下げて礼をしていたのは、最後尾に並んだ椿中生3人でした。(6月16日のブログの写真を見てみてください) 

市総体、決戦に臨む君たちへ

2023年6月12日 08時00分

【令和5年6月12日】

 この4月から本校校長を務めさせていただいております神野 泰二です。おくればせながら、ちょっとつぶやきたくなったことをこのコーナーで書き記していきたいと思います。(不定期ですが)よろしければ、斜め読みでもしていただければ幸いです。

 早速ですが、先日市総体壮行会で、椿中選手団に話したことをご紹介します。

 いよいよ決戦のときが来ました。吹奏楽部の力強い演奏が花を添える中、堂々たる入場行進、思いのこもった決意発表、選手宣誓、大変見事でした。この覇気に満ち溢れた皆さんの姿を見て、椿中校長として大変誇りに思います。

 部活動は何のためにあるのか・・・。私は、自分で部活指導をしていた頃から、このように考えています。

 「部活動の目的は、人間づくりである」と。

 これまで、自分が好きで入った部活動とはいえ、楽しいことばかりではなかったと思います。思い通りに技能が伸びず悩んだこと、顧問の先生やコーチから厳しく指導されてへこんだこと、仲間であるはずのチームメートと心がうまく通い合わず悲しかったこと、いろいろな試練があったと思います。(この数年間は、コロナによる試練もありました。)

 でも、そんな試練も、今のたくましい君たちを作り上げてくれた大切な要素であったはずです。苦しさの先に何かを達成する喜びを知った自分、仲間と苦労や感動を分かち合える自分、素直に自身の未熟さを反省できる自分、人に感謝できるようになった自分、今たくさんの成長した自分をみつけられるのではないでしょうか。

 校内外のいたるところで素敵な挨拶が飛び交う、節度と活気のある今の椿中を作ってきたのは、そんな君たちの頑張りかもしれません。椿中代表として、頑張ってきた自分たちに自信と誇りを持ち、堂々と戦ってきてください。

 しかし、勝負に臨む以上、皆さんにはもう一つ重要な目標があるはずです。それは・・・「勝つ」ことですよね。相手に勝つ、自分の前の記録に勝つ、自分の弱さに打ち勝つ、など勝つにもいろいろな意味がありますが、1つでも多く「勝つ」ことにもこだわって頑張ってきてください。

 様々な会場で、皆さんの熱い戦いが観られること、楽しみにしています。健闘を祈ります。