トイレのスリッパが語るもの
2023年7月15日 17時30分【令和5年7月15日(土)】
学校には、そこで生活する子どもたちの心の状態が如実に表れる場所というものがあります。それが、トイレのスリッパであり、靴箱のくつであり、雑巾がけの雑巾であり、傘立てのかさです(私見ですが)。私はときどきこれらを見ながら校舎を歩くことがありますが、本校はおおむねいつみてもこれらが整然と並べられています。おそらく多くの先生方も同じような感性を持って子どもたちに指導してくれているおかげであり、子どもたちの心が落ち着いている証拠だなと思っています。
先日、ある先生が、校長室にこんなことを伝えに来てくれました。
「聞いてください校長先生。9組のK君とMさんのことです。毎朝保健室に健康観察板を持ってきているこの2人。ある朝その様子を見ていると、健康観察板を出した後、その前にある職員トイレに別れて入っていくんです。何をするのかなと思ったら、それぞれ男女トイレのスリッパをきれいに並べてくれてたんです。その様子に感心しながらそのまま彼らのあとをついていくと、教室へ帰る途中のトイレにも入ってやはりスリッパを並べてくれていました。どうもこの二人、これを毎日の日課にしているようなんです。素晴らしいと思いませんか!」
本当に素晴らしい行いです。この話を聞いて、心がとても温かくなりました。誰も知らないところで、こういう尊い行いをしてくれている椿中生がいること、みんなも知っておいてください。さらに付け加えると、このことを教えてくれた先生も、紛れもなく心が温かく優しい人だと思いました。
皆さんは、宮澤章二さんの『行為の意味』という詩を知っていますか。私の大好きな詩です。まさに、この二人の生徒の行為を表している詩だと思います。ネットで検索するとその詩が見れますので、ぜひ見てみてください。