市総体を終えて
2023年6月21日 08時00分【令和5年6月21日】
市総体が終わりました。子どもたちは、サッカー部の優勝をはじめとして、旗やカップ、賞状など多くのプレゼントを学校に持って帰ってくれました。ありがとう、そしてお疲れ様!特に3年生は、部活動をこれで引退という人も多いと思いますが、これまで3年間頑張ってきた成果がたくさん自分の心や体に残っていることを願います。部活動による子どもたちの成長を共に支えていただいた、外部指導者の皆様、保護者の皆様にはあらためて感謝申し上げます。県大会に進む皆さんは、もうひと暴れ目指して頑張りましょう!
さて、この大会中、私が個人的に最も心に残ったシーンをご紹介します。(年のせいか、私はこのシーンで涙が止まりませんでした・・・)
軟式野球部の3回戦。本校の軟式野球部は3年生1名、2年生2名しかいないため、内宮中と松山西中等との連合チームで出場しました。内宮中と松山西中等にはおそらく経験者も多く、中学校から野球を始めた本校唯一の3年生Iくんには、初戦からずっと出番はありませんでした。途中までいい試合をしていた3回戦でしたが、終盤大量得点を相手に許し、最終回を迎えた時点で3対8。最後の攻撃もすでに2アウト。野球は2アウトからといいますが、さすがに5点差をひっくり返すのは9割がた不可能。その場面で、Iくんが代打でバッターボックスに立ちました。そのとき、ベンチから本校M先生のひと際大きな声が聞こえてきました。それまで他校の生徒にもずっと大きな声で檄をとばしていたM先生ですが、このときIくんを鼓舞する声は今までで一番大きな声だったように思いました。「ボールにくらいつけよー」「しっかりボール見て前に飛ばしてイケー」と、最後までIくんのヒットを生み出すためのアドバイスの声でした。あきらめモードになってもおかしくないこの場面で、最後まで生徒のヒットを信じて大きな声をかけるM先生、それを一生懸命聞き必死にボールにくらいつくIくん、それを見ながら私は自分でも不思議なくらい自然に涙があふれていました。私の妄想かもしれませんが、M先生がIくんにかけていたその言葉は、表面的にはヒットを打つためのアドバイスですが、「これまでお前は苦しい練習をようやりきった」「これからのお前の人生も大丈夫や」「これまでありがとう、おつかれさん」というIくんへのエールのように感じました。「師弟同行」という言葉がありますが、その真の姿を見た気がしました。
残念ながら、Iくんはファーストゴロに倒れゲームセットを迎えましたが、試合終了後、観客席に向かって一礼をする連合チームの中で、一番深々と頭を下げて礼をしていたのは、最後尾に並んだ椿中生3人でした。(6月16日のブログの写真を見てみてください)